厚生科学審議会の提言により、令和5年4月から4種混合ワクチン(ジフテリア・破傷風・百日咳・不活化ポリオワクチン)、3種混合、単味の不活化ポリオワクチンの接種開始時期が生後2か月からに変更になりました。
この変更は、百日咳の重症化リスクが最も高い生後6か月未満の乳児の罹患と重症化を減少させることを目的としています。百日咳は重症化すると、チアノーゼや無呼吸などの重篤な症状を起こし、死に至る可能性もあります。接種開始時期を1か月前倒しすることによって、乳児の患者が100人ほど減少することが期待されています。
4種混合ワクチンを生後2か月から接種することの安全性と有効性は、現在開発が進められている5種混合ワクチン(4種+ヒブ)の臨床試験において確認されています。5種混合ワクチンはおそらく令和6年~7年頃に定期接種になる見通しであり、5種混合に移行する際にヒブワクチンの初回接種に合わせて生後2か月に前倒しになった背景もあります。
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【この記事を書いた人】医学博士 中野康伸
横浜市生まれ、自治医科大学卒
・日本小児科学会専門医
・日本アレルギー学会専門医
・日本東洋医学会専門医
横浜市港北区で小児科専門医として、地域に根差した診療を行っています。「病気・症状何でもQ&A」のコーナーでは、一般の方にも分かる最新の医学知識や予防接種の情報、育児・発育の心配な事、救急時の対応など、様々なトピックを掲載しています。