水ぼうそうのワクチンの重要性
アトピー体質の人や、血液の病気の人、ステロイド剤を飲んでいる人が水ぼうそうにかかると、重症化する恐れがありますので、そうなる前に予防接種を受けておくことをお勧めします。また、大人になってから水ぼうそうにかかると、肺炎や肝炎、脳炎などの合併症を起こして重症化することがありますので、既往のない方は接種されることをお勧めします。生ワクチンで、接種から1週間後にまれに発疹や発熱が出ることがありますが、重大な副作用の心配はありません。
接種スケジュール
対象年齢:1歳・2歳【生後12か月~36か月未満】(接種日時点)
初回接種:生後12か月~15か月未満の間に1回
追加接種:初回接種終了後、3か月以上(標準は6~12か月)の間隔をおいて1回
予診票:お誕生日の約1か月前に個別で郵送されます。
最新情報は横浜市の保健所ホームページをチェックしてください。
お問い合わせ 横浜市ワクチン相談窓口
045-671-4183 午前9時~午後5時 (土日・祝日、年末年始除く)
水ぼうそうの症状と対処
水ぼうそうはウィルスによって感染する病気です。一生のうちで一度感染すれば、免疫が出来るので二度とかかることはほとんどありません。感染すると、たいていの場合発熱し、それと同時に頭や手足、顔などに赤い小さな発疹が出ます。髪の毛の生え際と陰部から発疹が出始めることもあり、半日から1日程で全身に広がり、やがて水疱(すいほう)になって強いかゆみを伴います。発疹は2~3日間がピークで、1週間ほどすればおさまってきますが、水疱を掻きむしって壊してしまうと、飛び火状態になって全身に広がり、場合によっては跡が残ってしまうことがあります。疑わしい発疹が出たら、なるべく早めに受診して下さい。水疱を乾燥させてかゆみを抑える塗り薬を処方します。かさぶたになれば、やがでかゆみもおさまってきます。口の中に水疱が出来ることもありますので、その場合には、刺激の少ない消化の良いものを食べるようにしましょう。
水ぼうそうは飛沫や接触によって感染します。感染してから発症する(皮膚に発疹が出る)までの潜伏期間は10日から21日前後ですが、特に発疹が出始める1~2日前が最も感染力が強いので、発疹に気がついた時にはすでに周りの人に感染している可能性が高いと言われています。
水疱が全て黒いかさぶたになるまでは、他人にうつす可能性がありますので登園・登校は控えましょう。また、入浴は熱が高くなければ大丈夫ですが、水疱の程度によっては見合わせたほうがよい場合もありますのでご相談下さい。 このウィルスは、非常に強い感染力を持っているので、家族への二次感染に注意が必要です。水ぼうそうはワクチンで予防することができます。家族の誰かが水ぼうそうに感染した場合、まだ水ぼうそうにかかったことのない人は、感染した人の発疹が出た時から72時間(3日)以内にワクチンを接種すれば二次感染を防ぐことができる(または、症状を軽くすることができる)と言われています。
【この記事を書いた人】医学博士 中野康伸
横浜市生まれ、自治医科大学卒
・日本小児科学会専門医
・日本アレルギー学会専門医
・日本東洋医学会専門医
横浜市港北区で小児科専門医として、地域に根差した診療を行っています。「病気・症状何でもQ&A」のコーナーでは、一般の方にも分かる最新の医学知識や予防接種の情報、育児・発育の心配な事、救急時の対応など、様々なトピックを掲載しています。