
子どもでも片頭痛を起こすことがあるってご存知ですか?大体の場合は、30歳までに発症し、男女比や年齢で見ると、20代の女性が特に多いように思われます。
片頭痛は、頭の片側のこめかみから眼の辺りに起こることが多いようですが、頭全体が痛くなることもあります。
脈を打つようにズキン、ズキンと痛み、体を動かすと頭痛が悪化し、日常生活に支障をきたすほどの強さで、時に吐き気をもよおすこともあります。頭痛時は光、音や匂いに過敏になっていることが多いため、暗い静かな部屋でじっとしていると楽になります。片頭痛の中には前兆といって頭痛がおこる前にギザギザした光が見えることがあり、これを閃輝暗点(せんきあんてん)と言います。
片頭痛の誘因としてもっとも有力視されているのは三叉神経血管説です。何らかのきっかけで頭の血管の周りの神経(三叉神経)が刺激され、痛み物質が出ることによって脳血管の拡張と炎症がおこり、頭痛が起こります。
片頭痛のきっかけは様々ですが、生理、ストレスからの開放、人ごみ、空腹、天候の変化、寝不足や眠りすぎなどがあります。
以下は、片頭痛の主な特徴です。
- 頭の片側や一部分だけがズキン、ズキン痛む
- 頭が痛くなり始めると、数時間~数日続くことがある
- 頭痛が起こる頻度は、毎日ではなく、週1回や月1回など発作的に起こる
- 頭や体を動かすと、さらに痛みが激しくなる
- 頭痛時に音や光に敏感になり、大きな音が気になる、普段気にならない程度の光がまぶしく感じる
- ひどい時には吐いて寝込んでしまう
こうした症状が見られたら、まず当クリニックに相談してください。他の病気(例えば脳腫瘍や脳血管障害、脳脊髄液減少症)などの可能性もありますので、しばらく予防薬と鎮痛剤を試してみても、効果がなければ、MRIやCTを受けられる病院をご紹介します。
それから、日常生活でもできるだけ血管を拡張させるような成分の入った食べ物は避けるようにしましょう。例えば、チョコレート、サラミ、赤ワイン、インスタント食品などですね。また、マグネシウムには片頭痛の予防効果がありますので、食事での摂取や大人の場合はサプリメントで補うのもよいでしょう。

【この記事を書いた人】医学博士 中野康伸
横浜市生まれ、自治医科大学卒
・日本小児科学会専門医
・日本アレルギー学会専門医
・日本東洋医学会専門医
横浜市港北区で小児科専門医として、地域に根差した診療を行っています。「病気・症状何でもQ&A」のコーナーでは、一般の方にも分かる最新の医学知識や予防接種の情報、育児・発育の心配な事、救急時の対応など、様々なトピックを掲載しています。