突発性発疹とは、ヒト ヘルペス ウィルスに感染して起こる病気で、生後初めての発熱に多く見られます。
38度~39度の高熱が出ますが、ミルクの飲みがよくて元気もあってニコニコしていることが多いようです。
突発性発疹に特有の「さくらの花びらが散ったような」赤い発疹は、熱が下がってから顔や胸、お腹にぱーっと広がるので、発疹が見られれば間違いなく突発性発疹であったことがわかります。
症状
潜伏期間は10日前後で、38度~39度の高熱が2~3日続きます。
発疹が出る直前に、喉の奥の上方に白い斑点(永山班)が見られますが、判別するのが難しく、通常は熱が下がって発疹が出た時点で突発性発疹であることが確認されます。
熱が下がる頃に、赤い発疹が顔、胸、お腹あたりに広がりますが、2~3日後にはきれいに消えます。
下痢をともなう場合もあります。また、高熱のため、まれに熱性けいれんを引き起こすケースがありますので、その場合は慌てず、けいれんがどのくらいの時間続くのかを計って様子を見て、5分以上続くようなら万が一に備えて救急車を手配しましょう。
突発性発疹には2回かかるの?
突発性発疹の原因となるヒト ヘルペス ウィルスには、6型と7型の2種類があり、その両方にかかる可能性があるため、子どもによっては2回突発性発疹にかかることがあります。
家庭でのケア
突発性発疹の場合、特に合併症がなければ薬を服用する必要はありません。ただし、高熱が続くので水分補給はこまめにしてあげましょう。下痢をしている場合にも、水分補給は大切です。
こんな時は要注意!
2~3日経っても熱が下がらず、発疹も現れない場合は要注意です。
クリニックでもらった熱計表に毎日の体温の推移を記録してみて、午前中に熱が下がって夜に上がるというパターンを繰り返し、右肩上がりに熱が高くなってきている場合には、中耳炎や他の感染症の疑いがありますので、クリニックを受診して下さい。
この記事は、「小児科のお医者さんからママたちへ(主婦と生活社出版)」およびスカパー2 第3回「発熱、けいれん」の内容より1部抜粋しています。
【この記事を書いた人】医学博士 中野康伸
横浜市生まれ、自治医科大学卒
・日本小児科学会専門医
・日本アレルギー学会専門医
・日本東洋医学会専門医
横浜市港北区で小児科専門医として、地域に根差した診療を行っています。「病気・症状何でもQ&A」のコーナーでは、一般の方にも分かる最新の医学知識や予防接種の情報、育児・発育の心配な事、救急時の対応など、様々なトピックを掲載しています。