「うちの子は、おへそが中にひっこまない」「他の子と比べておへそが大きいような気がする」など、おへそが中に入らず、飛び出しているようなら、臍ヘルニアの可能性があります。
生後間もない赤ちゃんは、おへその下にあるお腹の筋肉が未発達なので、うんちの時に力んだり、大泣きしたりして、お腹に力が入ると、おへその近くにある腸の一部が外へ突き出てしまうことがあります。
通常は、1歳~2歳頃までには、おへその両側の筋肉の発達とともに、中へ引っ込んでいくのですが、10%くらいの確率で、そのまま突き出たままになってしまう場合があります。
ひどい臍ヘルニアの場合は、人差し指の第1関節くらい突き出てしまい、触るとグニャグニャしています。押し込めば中に入るのですが、お腹に力が入ると、ポコンと出てきます。
治療方法
もし気になるようなら、一度クリニックにご相談下さい。
当院では、絆創膏を使った治療を行っています。絆創膏の貼り替えは、医師と看護師で特殊な方法で行います。絆創膏のかぶれを予防するため週1回程度の通院が当初必要です。臍を抑え込んで固定するのは、最初は難しいですが、良くなってくると簡単にできます。大抵は、絆創膏で固定すれば、2ヶ月程度で治ります。
1歳くらいまでは、様子を見ていい、という意見もありますが、絆創膏固定法を早期に開始すれば治癒率は俄然高まります。1歳を過ぎても出ているようなら、そのままデベソの状態で治らなくなってしまうので、外科手術が必要になります。とにかく、1歳までに押さえ込むことが有効なので、早めにご相談ください。
【この記事を書いた人】医学博士 中野康伸
横浜市生まれ、自治医科大学卒
・日本小児科学会専門医
・日本アレルギー学会専門医
・日本東洋医学会専門医
横浜市港北区で小児科専門医として、地域に根差した診療を行っています。「病気・症状何でもQ&A」のコーナーでは、一般の方にも分かる最新の医学知識や予防接種の情報、育児・発育の心配な事、救急時の対応など、様々なトピックを掲載しています。