咳喘息

風邪を引いた3日~9日後くらいから、しつこく咳だけが残り、特に夜中や明け方になると咳き込んで、夜寝ていても起きてしまうような症状の場合、咳喘息の可能性があります。

咳喘息の特徴

咳喘息とは、慢性的なアレルギー疾患である喘息とはやや異なり、主に風邪などをきっかけに、一時的に気道に炎症が起こることで、気道内部の粘膜が腫れ、空気が通る道が狭くなって咳が続く状態のことを言います。

咳喘息とよく似ているその他の病気として、マイコプラズマ肺炎や気管支喘息がありますが、マイコプラズマ肺炎の場合は、血液検査や咽頭ぬぐい液で陽性反応が出れば、抗生物質を一ヶ月程度飲めば完治します。

また、気管支喘息の場合は、気道のさらに先で肺胞に続く細い気管支に炎症があるため、いったん咳き込み始めると、かなりの時間、呼吸が苦しくなり、咳が止まらないのが特徴です。

治療方法と対策

咳喘息と診断された場合は、吸入ステロイド剤を使って、気道に直接働きかける治療が最も効果的です。これは、内服のステロイド剤とは異なり、外用薬として位置づけられていますので、ステロイドの影響が心配な方でも安心して使っていただけます。

口から吸い込むことで、気道に直接ステロイドの粉を吸い込み、気道の炎症を治療します。これと同時に、抗アレルギー剤を服用して、咳の引き金となるアレルギーへの反応を抑えます。夜間充分な睡眠がとれるように気管支拡張テープを使うこともあります。

寝るときは、なるべく上半身を高くして(枕を2個にする等)仰向けではなく、横向きかうつぶせで寝ると楽になります。

咳喘息は、完治するまでに1ヶ月以上かかる病気です。その間にタバコを吸ったり、受動喫煙したり、アレルギー反応のある物質に触れたりすれば、炎症が悪化し、その時点からまた1ヶ月かかることになります。

当クリニックでは、咳喘息が疑われる方には、血液検査と同時にアレルギー検査もお勧めしています。そうすることで、日常生活においてもアレルゲンを避けることができるようになり、回復も早まります。