ヘルパンギーナ・プール熱

夏の代表的なカゼであるヘルパンギーナ、プール熱はウィルス性の感染症です。

ウィルス感染と細菌感染の違い

「カゼをひいたら抗生剤を飲ませる」というのは誤解だということをご存知でしたか?カゼには大きく分けて細菌性とウィルス性の2種類があります。

抗生剤とは、細菌をやっつけるための薬なので、基本的にはウィルス性のカゼには効果が期待できません。しかし、ウィルスで弱ったのど等に細菌が繁殖することもあり、その時は効果があります。

いずれの場合も、体内に細菌やウィルスが侵入することによってカゼ症状があらわれます。侵入経路としては、ウィルスや細菌のついたものを触った手で口や鼻を拭いたりして感染する場合や、空気中に飛沫しているウィルスや細菌を吸い込んで感染する場合の2通りがあります。

夏の代表的なカゼ

夏によくかかるカゼとして、ヘルパンギーナ、プール熱が挙げられます。いずれもウイルス性のカゼです。

ヘルパンギーナは、喉の痛みとともに高熱が出て、1~4日間続きます。喉の奥に小さな水泡や潰瘍(かいよう)、発赤がみられます。喉が痛くて食欲が出なかったり、下痢や嘔吐などの症状があらわれることがあります。

プール熱は、咽頭結膜熱と呼ばれるもので、アデノウィルスに感染するものです。この名前の由来は、夏場にプールで感染することが多いことからきています。症状としては、高熱が2~3日続き、喉が赤くなって痛み、が出ます。また、白目やまぶたの裏が赤くなって、目ヤニなどが出やすくなるのも特徴です。鼻水が出たり、下痢をしたりということもあります。

高熱が出た場合はクリニックを受診してください。症状を和らげるために、熱を下げる薬を処方することもあります。また、何度も嘔吐したり、喉の痛みがひどく、水分が取れない場合なども、点滴をしたほうがよいことがあるので、早めに受診してください。

家庭でのケア

ヘルパンギーナの場合、だいたい4~6日で熱は治まりますが、激しく嘔吐したり、水分が取れていないようなら、受診してください。他人への感染はあまり気にする必要はありませんが、熱があるうちや喉の痛みがある間は、幼稚園、学校などへの登園は控えたほうがよいでしょう。

プール熱の場合は、目ヤニや咳、便などから感染するので、家庭でもコップやタオルなどは分けて使ったほうがよいでしょう。だいたいは2~3日で熱が下がり、ほぼ1週間でよくなります。喉が痛くて食事が取れない場合は、無理して食べさせずに、水分だけはしっかりと取らせるように気をつけてください。

ウィルス性のカゼを治すには、基本的には本人の体力と免疫力でウィルスをやっつけるしかありません。充分に睡眠をとって、規則正しい生活を心掛けましょう。