最近はペットを飼うことが、当たり前のようになっていますが、小さいお子さんがいるご家庭ご家庭では、アレルギーを心配される方が多いのではないでしょうか?
アレルギーの原因
アレルギーの原因となる動物は様々で、ペットの代表格のネコ、イヌ、ハムスターなどがあります。これらのペットから出る毛や体液(よだれ、尿など)だけでなくケージに使用している毛布やタオル、ワラなども原因のひとつとして見逃せません。また、ペットのエサからダニが発生し、それがダニアレルギーの原因になることもあります。
最近の動向
ペットが先に家族の中に居て、後から赤ちゃんが生まれてくるケースが多いようですが、その時ペットを手放すかどうか、悩むところですね。また、子どもがペットを飼いたいと言ったら、アレルギーについて心配になるかもしれません。重症のアトピー症状や喘息、アレルギー性鼻炎、結膜炎がある場合は、あきらめざるを得ないかもしれません。
しかし、最近の研究によると、小さいうちからペットと同居している方が、アレルギーになりにくいという報告があります。これは、ペットの排泄物の一部から出る物質に対して、人間の体は一種の感染免疫抗体を作りを作り、その数が増えれば増える程、逆にアレルギーを引き起こす抗体は減ってアレルギーになりにくい体質が作られるそうです。 つまり、ペットと長く一緒にいればいるほど、アレルギー抗体(IgE)の数が減るということになります。
クリニックにご相談下さい
もちろん、アレルギー症状がひどければ、それはそれであきらめるのも選択のひとつですが、命あるペットを簡単に手放したり、処分したりするのはどうでしょうか?
アレルギーは、正しく薬を服用していれば、コントロール可能です。
当クリニックに生後間もなくから通っているある女の子は、ネコアレルギーでした。その子が生まれる前から猫が居たので、新生児の間は猫と別の部屋で育ちましたが、その後2年間は同じ部屋で暮らしたそうです。結局、その子は、父方にアレルギー素因があり、その後小児ぜんそくを発症しましたが、猫と共存するために、両親のご希望もあり抗 アレルギー剤を服用し続け、猫を触ったら必ず手を洗うといった生活習慣を身に着けたそうです。そして、結局猫の生涯が終わるまで仲良く一緒に暮らしたそうです。今では、抗アレルギー剤を服用する必要もなく、ぜんそくも5歳の時に完治し立派な御嬢さんに育っています。
クリニックにも愛犬のペットがいます。ペットのアレルギーでお悩みの方は、一度ぜひご相談下さい。
【この記事を書いた人】医学博士 中野康伸
横浜市生まれ、自治医科大学卒
・日本小児科学会専門医
・日本アレルギー学会専門医
・日本東洋医学会専門医
横浜市港北区で小児科専門医として、地域に根差した診療を行っています。「病気・症状何でもQ&A」のコーナーでは、一般の方にも分かる最新の医学知識や予防接種の情報、育児・発育の心配な事、救急時の対応など、様々なトピックを掲載しています。