夜中に突然赤ちゃんが泣きだして、抱っこしても、ミルクをあげても、オムツを変えても機嫌がなおらず、ますます顔を真っ赤にして泣きじゃくる姿に、途方にくれるママやパパは多いのではないでしょうか?
オムツが濡れていたり、部屋が暑かったり、特に夏はあせもがかゆくて泣いたりする こともありますが、どれも原因が思い当たらないのに、毎晩のように突然泣いて止ま らないとなると、夜驚症(やきょうしょう)の疑いがあります。
夜驚症とは?
夜驚症と夜泣きがと大きく違うのは、脳が深い眠りに入っている時に恐怖やパニック に襲われることで、自分では無意識の状態で泣きじゃくることです。夜泣きの場合 は、睡眠の浅い時に起こるので、抱っこしたり、トントンしたりすれば収まることが 多いのですが、夜驚症の場合は、深い眠りに入っているので、どんなにママやパパが一生懸命呼びかけても、赤ちゃんには届かないのです。また夢遊病を併発することも あり、泣きながら歩き回ったり、階段を上ったり下りたりする例もあります。こうい う場合は、転倒する危険があるので、傍についていてあげるようにしましょう。
夜驚症の特徴
この症状が起こるのは、主に眠り始めてから3時間の間です。この時間帯が一番眠り が深いので夜驚症が起こりやすいと言われています。また、延々と泣いているわけで もなく、短いと1分以内、長くても5分くらいには勝手に泣き止みます。また朝起きた 時に、本人は覚えていないことが多く、意外と乳幼児の時期ではなく、3歳あたりか ら症状が出始めることが多いのも特徴です。
夜驚症の原因
はっきりとした原因はまだわかっていませんが、こどもの脳が発達途中であり、感情 をつかさどっている大脳辺縁系が活発に反応していることまではわかっており、何ら かの恐怖体験が関係しているのはないかと思われます。
夜驚症の対処法
ご家庭でできる事は、いったい何を怖がっているのかをよく思い出してみることで す。例えば雷の音、花火の音、バイクの音といった大きな音がしたときに泣いた、と か、トイレトレーニングの時にひとりでトイレに行くように促してみたらトイレが怖 いと言っていやがったといったことが日常生活の中にあっただろうか?と考えてみて ください。それを、こどもが起きている時に「こわくないよー、大丈夫だからね」と やさしくなだめてあげることで不安が和らぎます。
また脳が睡眠をコントロールする機能が十分に発達する頃には、自然と出なくなりま す。
もし心配なようでしたら、一度受診してみてください。睡眠障害に効く内服薬を処方 することもできます。
【この記事を書いた人】医学博士 中野康伸
横浜市生まれ、自治医科大学卒
・日本小児科学会専門医
・日本アレルギー学会専門医
・日本東洋医学会専門医
横浜市港北区で小児科専門医として、地域に根差した診療を行っています。「病気・症状何でもQ&A」のコーナーでは、一般の方にも分かる最新の医学知識や予防接種の情報、育児・発育の心配な事、救急時の対応など、様々なトピックを掲載しています。
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