小児肺炎球菌ワクチン

接種回数と時期

細菌性髄膜炎を予防するためのワクチンです。
生後2か月以降で4回接種します。
ワクチン接種部位の腫れや発熱など、副作用が起こる頻度は他のワクチンと同等です。発売以来、世界中の人に接種されています。

最新情報は横浜市の保健所ホームページをチェックしてください。
お問い合わせ 横浜市ワクチン相談窓口
045-671-4183 午前9時~午後5時 (土日・祝日、年末年始除く)

細菌性髄膜炎の恐ろしさ

日本で毎年1,000人近い子どもたちが、細菌性髄膜炎に感染しています。その原因となる細菌の中で、最も多いのがHib(ヒブ)で、その次に多いのが、肺炎球菌と呼ばれる細菌です。

肺炎球菌は、元気な子供の鼻や喉にでもいるような、ごく身近な菌です。しかし抵抗力が落ちていて風邪をひきやすいような時には、体内に入り込んで様々な病気を引き起こします。

成人の場合、肺炎球菌が肺炎気管支炎などの呼吸器障害を起こすことが多いのですが、2歳以下の子どもがこの細菌に感染すると、脳を包んでいる膜(髄膜:ずいまく)に入り込んで重篤な髄膜炎を引き起こします。日本では毎年200人程度の子供が細菌性髄膜炎にかかっています。

細菌性髄膜炎は、死亡率が高く、発症した年齢が小さければ小さいほど予後が悪く、4人に1人は神経麻痺や知能障害などの重篤な後遺症が残る病気です。抗生物質が効きにくい起因菌が増えており、治療が難しいのも問題です。

その他にも、肺炎球菌が原因となる病気として、菌血症(血液内に菌が入り込み、様々な臓器に転移することで髄膜炎などの重篤な病気を引き起こす)や肺炎中耳炎、副鼻腔炎、骨髄炎、関節炎などになる可能性もあります。

主な症状

感染者の咳やくしゃみなどで飛沫感染します。突然の発熱から始まり、激しい頭痛や悪寒、嘔吐下痢などの症状がみられます。始めのうちは、ふつうの風邪や胃腸炎と区別がつきにくく、初診で髄膜炎と診断をつけるのは難しいのですが、この病気は進行が早く、たった一晩のうちに急変することもあり、発見や治療が遅れると、重篤な後遺症を残す可能性が高く、最悪の場合は死に至ることもあります。

治療法

肺炎球菌には80種類以上のタイプがあり、その中から原因菌を特定して、抗生物質を投与します。早期発見、早期治療できれば治せる病気ですが、大半の肺炎球菌が抗生物質の効きにくい耐性菌である上に、病気の進行が早過ぎて、抗生物資の投与が追いつかないこともあり、治療が難しいのが現状です。