子どもは、「まさか!」と思うような所で、ちょっと目を離した時にやけどします。つかまり立ちをした拍子に、テーブルの上のコーヒーが倒れて頭から被ってしまったり、加熱中のホットプレートに触ってしまったり、炊飯器の蒸気の噴出し口に触れてやけどしたり、パパの肩車に乗っていたら、うっかり天井の白熱灯に触ってやけどしたという例もあります。特に4歳までは最もやけどによる事故が起こりやすい時期ですので、事故の起きないような生活環境作りをご家庭で心掛けてください。
やけどはこんな所で起こります!
- ワイシャツを取りに行っている間に、加熱しておいたアイロンに触った。
- パンを焼いている間にトースターに触った。
- コタツの上に置いてあった電気ポットを押して、熱湯を浴びた。
- テーブルの上の味噌汁をひっくり返して、熱湯を浴びた。
- ご飯を炊いている間に、炊飯器の蒸気噴出し口に触った。
- 加熱中のホットプレートに触った。
- ガスレンジの上の鍋をつかもうとして、ひっくり返して熱湯を浴びた。
- コンセントにハサミを入れて感電した。
- 電気ポットのコンセントを口に入れて、感電した。
- 点灯中の電球に触った。
やけどの深さ
やけどは深さと範囲によって、その重傷度が決まります。
第1度:皮膚表面が赤くなっているが、水ぶくれにはなっていない程度。
第2度:水ぶくれができている場合。
第3度:やけどが皮下組織にまで達している重度のやけどで、皮膚が黒く焦げてしまっていたり、白くなっている場合。
第3度のやけどが、大人の手の平よりも広範囲に及んでいる場合は、大至急受診してください。また、子どもは全身の10%以上がやけどすると大変危険な状態ですので、その場合は、迷わず救急車を呼びましょう。
やけどの応急処置
やけどをしたら、とにかくすぐに流水で10分以上冷やしてください。服の上から熱湯を浴びてしまった場合は、無理やり脱がせないで、上からゆっくり水をかけます。顔などの流水をかけにくい場所をやけどした場合は、冷やしたタオルを当てて、こまめに取り替えるなどで対応します。
絶対にやってはダメ!
- 流水でよく冷やしたら、受診するまでは余計な薬は塗らない!
- アロエの葉を当てるなどといった、民間療法は絶対にNG!
- 水ぶくれはつぶさない!(つぶした所からばい菌が入ったりします)
【この記事を書いた人】医学博士 中野康伸
横浜市生まれ、自治医科大学卒
・日本小児科学会専門医
・日本アレルギー学会専門医
・日本東洋医学会専門医
横浜市港北区で小児科専門医として、地域に根差した診療を行っています。「病気・症状何でもQ&A」のコーナーでは、一般の方にも分かる最新の医学知識や予防接種の情報、育児・発育の心配な事、救急時の対応など、様々なトピックを掲載しています。