あせもや虫刺され、擦り傷などの部分を手で触ったりかいたりすると、その皮膚表面に黄色ブドウ球菌、A群溶血性連鎖球菌などの細菌が患部に付着して繁殖し、皮膚がただれたり、水ぶくれができたり、かさぶたになったりします。
特に黄色ブドウ球菌は高温多湿を好むので、夏になると「とびひ」になる患者さんが増えます。
とびひになった所を触った手で体の他の部位を触ると、次々に感染して体中に広がってしまいます。
とびひは通常、抗生物質の軟膏をつけて治療すれば4日から7日で治りますが、程度がひどい場合は内服薬を処方することもあります。
とびひは接触感染します。特に子ども同士で移りやすいので、保育園/幼稚園、学校は完治するまで登園を控え、家庭でもタオルを共有したり、きょうだいで一緒に入浴するのは控えましょう。
汗をかいたらこまめに着替えて、シャワーや濡れタオルで汗を拭きとって肌を清潔に保つようにしましょう。また、あせもや虫さされの部分は、とびひになる前にしっかり治しておきましょう。
【この記事を書いた人】医学博士 中野康伸
横浜市生まれ、自治医科大学卒
・日本小児科学会専門医
・日本アレルギー学会専門医
・日本東洋医学会専門医
横浜市港北区で小児科専門医として、地域に根差した診療を行っています。「病気・症状何でもQ&A」のコーナーでは、一般の方にも分かる最新の医学知識や予防接種の情報、育児・発育の心配な事、救急時の対応など、様々なトピックを掲載しています。