春は入学、転勤など引越しのシーズンです。新居を購入されたり、新築マンションに入居された方もいらっしゃるのではないでしょうか?ところが、引越してから頭痛が続いたり、子どもの調子が悪くなった・・・と悩むことがあります。「もしかして、シックハウスかしら?」と疑わしい場合は、クリニックを受診してご相談下さい。
シックハウスとは?
シックハウス症候群とは、建物の壁紙や内装用の接着剤、家具などに含まれるホルムアルデヒドやトルエンといった揮発性の化学物質が部屋の空気中に放出され、それを吸い込むことによって、目や喉などの粘膜が刺激されて痛みをともなったり、皮膚が敏感に反応して発疹が出たり、頭痛やめまい、吐き気などを引き起こしたりします。全ての人がこの症状にかかるわけでなく、その人の体質や住まいの通気性の悪さなどにも関係します。
どうすれば調べられる?
まず、お住まいの空気がどの程度汚染されているかを調べる必要があります。地域の保健センターに相談して、簡易測定検査を受けることが可能かどうか問い合わせてみましょう。空気中に含まれるホルムアルデヒドの値が0.08ppm以下が正常値ですので、それ以上が測定された場合は、シックハウス症候群の可能性があります。
ご家庭でできる対策
室内の空気中の化学物質の濃度が上昇することを防ぐためには、こまめに換気することです。また、空気清浄機は高い効果を発揮することが知られていますので、もしお持ちでないならこの機会に購入してみるのもよいでしょう。花粉症やホコリアレルギー、ぜんそくのお子さんがいるご家庭でも、空気清浄機を使うと空気中の小さなホコリや花粉などを吸い取って浄化してくれますので大変便利です。
【この記事を書いた人】医学博士 中野康伸
横浜市生まれ、自治医科大学卒
・日本小児科学会専門医
・日本アレルギー学会専門医
・日本東洋医学会専門医
横浜市港北区で小児科専門医として、地域に根差した診療を行っています。「病気・症状何でもQ&A」のコーナーでは、一般の方にも分かる最新の医学知識や予防接種の情報、育児・発育の心配な事、救急時の対応など、様々なトピックを掲載しています。