
夏になると、コンコンと咳が続く、でも特に風邪っぽくもないし、症状はしつこい咳だけ・・・という方は、夏型過敏性肺炎の可能性があります。
これは、トリコスポロンやクタネウムというカビが、高温多湿の梅雨の時期に発生し、それを吸い込むことによって起こる肺炎です。
主な症状と治療法
主に6月~9月にかけて多く、体力が衰えていたり、疲れていたり、病み上がりなどで抵抗力の少ない時や、もともと肺疾患のある方がかかりやすい傾向にあります。放置しておくと悪化して、肺が硬くなり、時には命にかかわる事もある病気です。
診断は、診察や聴診、血液検査、レントゲン検査で行います。急性期には副腎皮質ホルモンのはいった内服薬が良く効きますので、早期診断、早期治療が大切です。
家庭内で気をつけることは、まずカビを繁殖させないことです。
カビや湿度の除去には、新聞紙が大活躍します。下駄箱の靴の下に新聞紙をしいて、こまめに取り換え、外からのカビの侵入を防いだり、野菜を新聞紙でくるんでカビないようにしたり、洗面所の扉の中にも新聞紙を敷いて、食器やお鍋を収納するとカビの繁殖を防げます。
風通しを良くし、最近なら空気清浄機を活用してカビ対策しても良いかもしれませんね。長く続く咳が気になるようぜひ早めに受診してください。

【この記事を書いた人】医学博士 中野康伸
横浜市生まれ、自治医科大学卒
・日本小児科学会専門医
・日本アレルギー学会専門医
・日本東洋医学会専門医
横浜市港北区で小児科専門医として、地域に根差した診療を行っています。「病気・症状何でもQ&A」のコーナーでは、一般の方にも分かる最新の医学知識や予防接種の情報、育児・発育の心配な事、救急時の対応など、様々なトピックを掲載しています。