子どもの気胸(ききょう)

突然、胸が苦しくなって呼吸できなくなり、胸の痛みが激しく、座り込んでしまうほどの状態になると、「まさか、心臓病?」と心配になったり、また喘息のある子は重度の発作と思い込んでしまう場合がありますが、実は「気胸」という病気があり、その可能性があります。

気胸とは?

気胸というのは、肺を包んでいる膜(胸膜)に穴があくことによって、胸腔に空気が漏れて、それが肺を圧迫することによって呼吸困難になる病気です。なぜ胸膜に穴があいてしまうのかについては解明されていませんが、こどもの場合は成長過程で肺に変化が起きて、突発的に穴があくことがあると言われています。

気胸になると、外に漏れだした空気が肺を外側から圧迫するので、肺がうまく膨らむことができなくなり、縮んだ状態になります。これに伴って、胸の痛みや呼吸困難という症状が表れます。また、血中酸素濃度が薄くなり、頭が痛くなったり、嘔吐したり、意識障害を起こす場合もあります。

気胸になりやすい人

気胸になりやすいタイプというのは、痩せ形の背の高い10代~20代の男性と言われています。また喫煙者に多いこともわかっています。

急な胸の痛みがあったら?

まずは早急に受診してください。
胸が苦しいという症状が表れる病気は他にもたくさんありますので、気胸かどうかの診断を付けることが大切です。レントゲンでまずは穴の開いている状態を確認し、軽度の場合は、自然治癒を選択することが多いです。しかし鎖骨寄り下に穴があいている状態の場合は、外科的な手術が必要になります。