子育て1年生のママたちからは、「うちの子、便が2~3日に一度しか出ないので心配なんです・・」と、よく相談を受けることがあります。
赤ちゃんの頃は、1日に何度もウンチをして、オムツを取り替えていたのに、離乳食が始まったころから便の回数が減ったなどと感じる方もいるでしょう。
1日に出る便の回数は子どもによってまちまちです。毎日出る子もいれば、2日に1回、3日出なくても平気だという子もいます。ですので、毎日出ないからといって、すぐに便秘だというわけではありません。
どうして便秘になるの?
排便は、腸のぜんどう運動によって溜まっているウンチが直腸へ押し出され、直腸の壁を刺激することで便意をもよおし起こります。一般的な便秘の場合は、このウンチを押し出す力が弱いことが原因です。また、汗をたくさんかく夏場は、体内の水分が汗となって出ていってしまうために、便が固くなるからです。
便秘になったら?
便の回数が少なくても、特にお腹を痛がる様子もなく、食欲もあって機嫌が良ければ、あまり心配する必要はありません。しかし、4日以上経っても出なくて、お腹が張っていたり、便を出すのがつらそうで嫌がったりしているようなら、一度受診してみて下さい。状況に応じて、便通を整える整腸剤を処方したり、子ども用の浣腸を処方します。
浣腸が癖になるという根拠のない言い伝えのせいか、最近のママ達はあまり浣腸をしないようです。けっして癖になんかなりません。 これは大人が勝手に決めた迷信だそうです。3日以上出なければやっぱりすっきりさせてあげたいですね。怖くて浣腸ができないママにはスタッフがそのこつをこっそりお教えします。来院した時にでも聞いてください。勿論こども用の便秘のお薬もあります。
肛門が切れてしまったら?
便が固いと、ウンチをふんばった時に肛門が切れて、少し血が出たりします。一度切れてしまうと、便を出そうとするたびに痛い思いをするので、子どもは余計にウンチをしたがらなくなります。そうなってしまうと、どんどん便秘が悪化してしまいます。そんな時は、肛門に塗る軟膏を処方しますのでご相談下さい。
家庭でのケア
食事
便秘の解消には、食物繊維が有効です。食物繊維は、腸内にある善玉菌の養分となって菌を増やしたり、大腸の壁を刺激してぜんどう運動を促す作用もあるので、便通がよくなるのです。果物ならリンゴ、バナナ、キュウイ、スイカ、メロンを食べさせたり、ひじき、ワカメなどの海藻類、さつまいもやにんじん、ほうれん草、その他妊娠中の鉄分補給でも有名なプルーンなど、食物繊維を摂るように毎日の食事に気をつけましょう。また、ヨーグルトも腸の運動を促進する効果がありますので、毎朝食べる習慣をつけてみてはいかがでしょうか?
マッサージ
お風呂上りの血行が良い時などに、お腹をマッサージしてあげるのも効果的です。子どものお腹の上を反時計方向に円を描くようにしてマッサージし、腸の働きを刺激します。
綿棒浣腸
綿棒をオリーブ油に浸して、肛門から2cmくらい中まで入れます。綿棒をクルクルと回して肛門近くの神経を刺激し、便意を誘発します。
あまり強くやると、中を傷つけてしまいますので、無理しない程度に試してみましょう。
排便のリズム
幼児・学童期になったら、毎日決まった時間に排便する習慣をつけるようにしてみましょう。幼稚園・保育園や学校に行くようになってくると、自宅以外で過ごす時間が多くなってきます。園や学校では、なかなか落ち着いてトイレに座っていられないので、ついウンチを我慢してしまったりすると、便秘になってしまうからです。朝ごはんの後は、一日の中でも最も便意をもよおしやすいので、登園・登校する前にトイレに行くように習慣づけてみてはいかがでしょうか。
【この記事を書いた人】医学博士 中野康伸
横浜市生まれ、自治医科大学卒
・日本小児科学会専門医
・日本アレルギー学会専門医
・日本東洋医学会専門医
横浜市港北区で小児科専門医として、地域に根差した診療を行っています。「病気・症状何でもQ&A」のコーナーでは、一般の方にも分かる最新の医学知識や予防接種の情報、育児・発育の心配な事、救急時の対応など、様々なトピックを掲載しています。