アトピー性皮膚炎とは、ハウスダストやダニなど、アレルギーを引き起こす物質が引き金になって起こる皮膚炎です。
赤ちゃんの頃はジクジクした感じの湿疹が顔や関節の内側に出来たり、頭に油のかたまりのような湿疹ができやすい特徴がありますが、幼児期になると乾燥肌になっていきます。
アレルギー体質の子供は、年々増加傾向にあります。今までなんともなかったのに、突然症状が出てくることもよくあります。
冬場は、特に肌が乾燥して強いかゆみが起こります。夏場のように汗でかゆくなることは少ないですが、乾燥した皮膚をかくとフケのようにパラパラと落ち、さらにかき続ければ傷になってしまいます。
とても肌が敏感になっているので、ちくちくする服やぬいぐるみに接触して、余計に症状が悪化することもあります。ひどくなると、熟睡できなくなったり、イライラして遊びにも熱中できず、泣いたり不機嫌になったりすることもあるようです。
アトピー性皮膚炎の予防、治療
皮膚が敏感になって炎症を起こしている状態ですので、スキンケアや軟膏(なんこう)治療が基本ケアになります。
冬場は特に乾燥を防ぐために、加湿器を使ったり、保湿効果のあるクリームをこまめに塗るなど、保湿を心がけましょう。 症状の変化に応じて軟膏治療を工夫できますので、当クリニックで相談してください。
食物アレルギーが強く関与している場合は、アレルゲンとなっている食品を探して制限することが必要となることもあります。この場合には、抗アレルギー薬や抗ヒスタミン薬が主に使われます。
またハウスダストやダニをできるだけ除去するために、掃除機をこまめにかけてよい環境を作りましょう。
抗アレルギー剤
抗アレルギー剤とは、アレルゲンが体内に入ってからでもアレルギー反応を途中で抑制することができるものです。どのようなポイントで作用するかによって、様々な薬があります。 その子の症状に応じて処方いたしますので、クリニックにご相談ください。
【この記事を書いた人】医学博士 中野康伸
横浜市生まれ、自治医科大学卒
・日本小児科学会専門医
・日本アレルギー学会専門医
・日本東洋医学会専門医
横浜市港北区で小児科専門医として、地域に根差した診療を行っています。「病気・症状何でもQ&A」のコーナーでは、一般の方にも分かる最新の医学知識や予防接種の情報、育児・発育の心配な事、救急時の対応など、様々なトピックを掲載しています。