春から冬にかけて毎年流行するロタウィルスによる嘔吐下痢症(急性胃腸炎)を予防できるワクチンです。
ロタウィルスとは?

ロタウィルスとは、ロタウィルスへの感染によって起こる腸炎で、激しい嘔吐が起こり、水状のサラサラした白っぽい下痢便が何度も出ます。嘔吐はほとんどが1~2日でおさまりますが、下痢は1週間ほど続きます。
感染力が強く、ウイルスのついた唾液や便を介して感染します。生後3カ月までは母親からもらった免疫があるので感染しにくいのですが、それ以降に感染すると、重症化しやすく、脳炎、脳症、けいれんなどの合併症を引き起こす可能性が高いと言われています。
ロタウィルスワクチン
今までは、ロタウィルスに対する有効な予防法がなく、感染した後の嘔吐や下痢といった症状を緩和する対症療法で乗り切るしかありませんでした。
ロタウィルスワクチンは、重症化するリスクの高い乳幼児を、ロタウィルスによる胃腸炎から守ることができる、非常に有効なワクチンです。
激しい嘔吐や下痢、入院を伴うような重症ロタウィルスの発症を90%程度予防することができると言われています。世界でも120カ国以上、5000万人以上の乳児に接種されています。
ロタウイルスはかなり重症化する嘔吐、下痢の代表格です。保育園に預ける予定のお子さんだけでなく、家庭で育ていてもほとんどのお子さんがロタウイルスには暴露されるので、今のうちから免疫をつけておきたいという対象年齢のお子さんをお持ちの方は、一度ご相談下さい。お飲みになったお子さん達は、美味しそうに飲んでいましたので、味は良さそうです。
ワクチンの接種時期と回数
5価ワクチン(ロタテック)
接種年齢:生後6週間から32週間まで
回数:それぞれ4週間以上空けて3回
ロタウイルスワクチン1回目、2回目の方はインターネット予約できませんので、直接受付にお電話下さい。
1価ワクチン(ロタリックス)を接種することも可能です。
接種年齢:生後6週間から24週間まで
回数:それぞれ4週間以上空けて2回
ロタリックスをご希望の方は早めににご相談ください。
最新情報は横浜市の保健所ホームページをチェックしてください。
お問い合わせ 横浜市ワクチン相談窓口
045-671-4183 午前9時~午後5時 (土日・祝日、年末年始除く)

【この記事を書いた人】医学博士 中野康伸
横浜市生まれ、自治医科大学卒
・日本小児科学会専門医
・日本アレルギー学会専門医
・日本東洋医学会専門医
横浜市港北区で小児科専門医として、地域に根差した診療を行っています。「病気・症状何でもQ&A」のコーナーでは、一般の方にも分かる最新の医学知識や予防接種の情報、育児・発育の心配な事、救急時の対応など、様々なトピックを掲載しています。