溶血性尿毒症症候群

溶血性尿毒症症候群は、色々な原因で起こりますが、特に病原菌性大腸菌O157に感染した子どもたちがこの合併症を起こし、死亡例も報告されたことで有名になりました。

食べ物を介してO157など(O157だけではありません)に感染すると、これらの菌は腸の中でベロ毒素という毒素をだして、重篤な症状を引き起こします。例えば、血小板が壊れて出血が止まらなくなったり、血便が出たり、脳にまで達して意識障害を起こしたりします。また、おしっこが出なくなって、急性腎不全に陥るケースもあり、これを溶血性尿毒素症候群といいます。

主な症状

溶血性尿毒症症候群は、強毒な病原菌性大腸菌に感染したことがわかってから、5日~10日くらい経ってから発症します。もし発症した場合は、入院が必要になり、血小板の数や腎機能の回復を待ちます。急性腎不全になってしまった場合は、一時的に人工透析したり、貧血がひどい場合は、輸血が必要な場合もあります。

昔は死ぬかもしれないような病気でしたが、今は発見が早ければほとんど治る病気が、それでも不幸な転帰を辿る可能性もあります。

まずは、O157などの病原菌性大腸菌に感染しないことですね。感染ルートは、きちんと加熱されていない生肉や乳製品、不衛生な調理器具を介して、食べ物から体内に入ることから始まります。野菜なども汚染源に成り得るそうなので、よく洗って中心部まで加熱(75度で1分以上)することが重要だそうです。夏場はできるだけ、しっかり加熱した食品を食べるようにしましょう。 特に夜店などで売られている肉類は、周りが暗いので生焼けでも見えなくて食べてしまって集団感染を起こしたという報告もありますので注意して下さい。