虫さされ

夏になると、蚊やブヨなど色んな虫たちの活動が盛んになります。身近な虫でいえば、蚊、ブヨ、ノミ、アリ、ハチ、毛虫などに刺される機会が多くなりますね。

外に出る前に虫除けをしても、時間が経って効果が薄れてきた頃にチクッとやられてしまいます。

虫に刺されると、かゆみや痛み、発赤といった症状が現れますが、これは虫の体液や有毒毛に対する一種のアレルギー反応です。アレルギー反応には個人差があり、刺されたところが少し赤くなる程度の子もいれば、刺された辺りが全体的にぷっくり腫れて、腫れがひくと皮膚がどす黒くなって跡が残る子もいます。今回は、虫刺されの予防法や治療法についてお話します。

ハチに刺されたら?

刺されると最も危険なのがハチです。人によっては非常に強いアレルギー反応が出て、30分以内にショック状態に陥り、死に至る危険性(アナフィラキシーショック)があります。刺されると鋭い痛みとともに、刺された所が少し出血し、赤く腫れあがります。初めて刺された場合は、1日ほどで症状は治まりますが、2回目以降はハチの毒に対するアレルギー反応が強くなり、じんましんが出たりすることがあります。

ハチに刺されたら、すぐに安全な場所に避難し、静かに横になって刺された場所を冷やして下さい。吐き気や腹痛、じんましんなどの異変が起きたら、すぐに救急車を呼びましょう。全身症状がなく、元気であればまずは一安心ですが、なるべく早めに診察を受けて下さい。

蚊に刺されたら?

刺された跡を掻きむしったりしなければ、市販のかゆみ止め外用薬を使って問題ありません。ただし、皮膚の弱い子やアトピー性皮膚炎のある子は、市販の薬が合わないこともありますので、できればクリニックで処方した外用薬を使うことをお勧めします。

かゆみが強い場合や、掻き壊して患部が傷付いていたり、水疱が出来ている場合は、とびひを予防するためにも、抗ヒスタミン剤やステロイド剤の入った軟膏を使います。掻き壊しそうな時は、かゆみがおさまるまで清潔なガーゼを患部に当てて保護したり、絆創膏を貼って保護したりするとよいでしょう。

ノミに刺されたら?

ネコや犬などのペット飼っているご家庭では、ペットがノミを外から家の中へ持ち込んでしまうため、寝ている間に顔や首、腕や腿の内側など皮膚のやわらかい部分を集中的にかまれたりします。非常にかゆみが強く、刺された所はポチッと赤くなって、水ぶくれになる場合もあります。掻きむしって皮膚炎やとびひになることを防ぐために、抗ヒスタミン剤やステロイド剤の入った軟膏を使用します。

ブヨに刺されたら?

非常にかゆみが強く、刺された所が赤くなって、硬いしこりが残ったりします。

かゆみが強いので、掻きむしって皮膚炎や とびひ になることを防ぐために、抗ヒスタミン剤やステロイド剤の入った軟膏を使用します。

毛虫に刺されたら?

毛虫の体を覆っている有毒毛が皮膚に当たると、強いかゆみを伴う発疹、じんましんが出ます。触った瞬間に、チクッとした痛みがあり、次第に赤く腫れてきます。刺された所を不用意に手でこすったりすると、有毒毛が肌に擦り込まれて症状を悪化させてしまうので、注意して下さい。毛虫に刺されたら、応急処置としてセロテープで毛を丁寧に取り除き、その後水で洗い流します。長期間かゆみが続きますので、抗ヒスタミン剤やステロイド剤の入った軟膏を使用します。

虫除けの正しい使い方

目、鼻、口に入らないように注意して、露出している部分にだけスプレー、塗布するようにします。顔や首につける場合は、一旦手の平に塗布してから、できるだけ広い範囲に塗るようにしましょう。虫除けは時々、皮膚に合わない場合があります。詳しくはご相談下さい。