赤ちゃんや小さい子どもは、興味のあるものを何でも口へ持っていきます。舐めたり、かんだりして遊んでいるうちに、スルッと喉の奥へ・・・乳幼児の誤飲は、あっという間に起こってしまいます。家庭菜園していたプチトマトを飲み込んで、喉の奥で詰まってしまったという事例もあります。喉に詰まって窒息すると取り返しのつかないことにもなります。誤飲は起こってしまってから慌てるのではなく、日頃から危ないものは子どもの手の届かない所で管理して、誤飲が起こらないような環境作りを心がけましょう。
どんなモノを飲み込めるの?
3歳児なら、直径3cm程度のものを飲み込むことができます。オモチャのミニカーを飲み込んだという話もあるくらいですので、「こんなもの飲み込めるわけない」という過信は禁物です。10cmの長さに切った紙を丸めてみて(丁度、写真フィルムの入れてある丸いケースと同じ)、その中を通るものなら、誤飲の可能性があると考えてください。
万が一、誤飲してしまったら?
固形物が喉に詰まっている場合
舌の奥を押して吐かせたり、お腹をかかえて頭を下に向け、背中を叩いて吐き出させたりしてみます。
異物を飲み込んでしまったら?
誤飲したモノによって、対処方法が異なります。水を飲ませたほうがよいモノや、牛乳を飲ませたほうがよいモノ、何も飲ませないほうがよいモノ、吐かせるとかえって危険なモノなど様々です。誤飲が起こってからではなく、事前に一度対処法一覧に目を通しておくとよいでしょう。(小児科のお医者さんからママたちへ:中毒110番対応一覧が載っています)
また中毒110番へ電話をすれば、誤飲したモノ別の対処法を教えてくれます。
中毒110番のホームページをご確認ください。
誤飲対応表や中毒110番の番号などを控えたメモを、冷蔵庫などへ貼っておくと、いざという時に慌てずに対処できます。何につけても、危ないものは手の届くところに置かないように、安全な生活環境作りを心がけてください。
【この記事を書いた人】医学博士 中野康伸
横浜市生まれ、自治医科大学卒
・日本小児科学会専門医
・日本アレルギー学会専門医
・日本東洋医学会専門医
横浜市港北区で小児科専門医として、地域に根差した診療を行っています。「病気・症状何でもQ&A」のコーナーでは、一般の方にも分かる最新の医学知識や予防接種の情報、育児・発育の心配な事、救急時の対応など、様々なトピックを掲載しています。