鼻水・鼻づまり

鼻水やせきは体を守るために必要なのです。鼻水は、体に入った異物を出そうとするために出るもので、炎症を起こした鼻の粘膜を守る役目もあります。

鼻水は鼻の粘膜の炎症によって出ます。

風邪を引いた時に、くしゃみが出て透明な鼻水がとまらなかったり、いつまでも鼻水が続くということがよくあります。

これは、空気中に飛んでいるウィルスが鼻の中に入ると、鼻の奥で炎症が起こり、鼻の奥の粘膜から体液がしみだしてくるからです。

花粉症で鼻水が出るのは、花粉に対するアレルギー反応で鼻の神経が刺激されるからです。

子どもの自然治癒力はすばらしいもので、鼻水、鼻づまりは汚いものを外に出そうとする体の防御反応ですから、無理に鼻水を薬で止めてしまうのではなく、粘膜をきれいにする薬や抗生物質で手助けしてあげることによって、たいていの鼻水、鼻づまりは治ります。

子どもの鼻水、鼻づまり、滲出性中耳炎(しんしゅつせいちゅうじえん)副鼻腔炎(ふくびくうえん)8から10歳までに80~90%以上治るというレポートがあります。

鼻水が出た時の受診の目安としては、鼻水とともに発熱したり、喉が痛くて機嫌が悪くなったり、あまり食べなくなったりした場合や、黄色や緑色の粘り気のある鼻水が続いたりする場合です。ほんの鼻水なら様子を見ていても大丈夫でしょう。

鼻詰まりは、鼻の粘膜が腫れている証拠

鼻が詰まるのは、ウィルスを体内に入れないようにするための防御作用です。鼻の粘膜が腫れることで空気の通りが悪くなっている状態です。

鼻づまりがひどくて寝苦しいそうだったり、赤ちゃんの場合、ミルクやおっぱいが飲みづらそうにしている時は、鼻の通りをよくする飲み薬や点鼻薬を処方いたしますので、当クリニックでご相談ください。

クリニックで鼻水を吸い取ってもらうのは?

自分で上手に鼻がかめる子でも、鼻水が続いて苦しそうな時には、クリニックで鼻水を吸い取ることをお勧めします。というのは、鼻水というのは鼻の穴の中にだけあるわけではなく、副鼻腔と呼ばれる広い範囲に溜まっているからです。ここに溜まった鼻を取るには、かむだけでは無理なのです。

鼻水がひどい時に、大人でも鼻の周りが重くてなんとなく嫌な感じになるのは、この副鼻腔にたまった鼻水のせいなのですね。

鼻水が出る時の家庭でのケア

小さい子はこまめに吸って取ってあげましょう 。

いけないことは、鼻水をスースーと自分で奥へ吸ってしまうこと。鼻水が耳管に入り、中耳炎になってしまうのでやめましょう。

まだ上手に鼻をかめないような小さい子の場合は、市販の鼻水吸い取り器を使ってこまめに吸い取ってあげましょう。嫌がるようなら、ティッシュでやさしく拭き取ってあげてもいいでしょう。

軟膏で鼻の下を保護して 頻繁に鼻水を拭ったりしていると、だんだんと鼻の下の皮膚が赤くただれてきます。そういう場合は、ワセリンなどの軟膏を塗って、皮膚を保護してあげましょう。

鼻がかめるようになったら、軽くかみます、訓練しましょう。 鼻をフンッとかめるようになったら、鼻にティッシュを当てて片方ずつ、軽くかませます。あまり強くかむと、耳を痛めることがあるので注意しましょう。鼻を強くかみすぎると、炎症がひどくなることもあるので、片方ずつていねいにかむこと。

鼻がつまっているだけで鼻水が出ない時は、出てくる鼻水を拭き取る程度に 鼻が詰まっているだけで鼻水が出ない時には、鼻をかんだり吸い取ったりすることはかえって逆効果です。

部屋の湿度を適度に保ったり、こまめに水分をとらせるなどして少しでも楽になるように工夫してみてください。

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