おぼれたら?

大人には信じられないような話ですが、子どもはわずか10cmの深さでも溺れます。トイレの便器を覗き込んでいるうちに、バランスを崩して顔から転倒して溺れたり、水の入ったバケツを覗き込んだ拍子にバケツに頭がはまって溺れたといった例もあります。特につかまり立ちが出来るようになると、浴槽や便器のふちに手が届いてお風呂やトイレで溺れる危険性も高くなりますので、ご家庭では日頃から事故の起きないような生活環境作りを心掛けてください。

子どもはこんな所で溺れます!

  • 浴槽のふちにつかまって中を覗き込んだ拍子に転落して溺れた
  • 子どもを湯船に残して、着替えを取りにいっている間に溺れていた
  • 洗濯機がグルグル回る様子をおもしろがって見ているうちに、洗濯槽の中に転落して溺れた
  • お風呂の残し湯で溺れた
  • 母親が洗髪中に、浴槽内で溺れた
  • トイレの踏み台によじ登って、便器を覗き込んでいて中に転落して溺れた

特に、0~1歳児の溺死の約8割は、お風呂場で起こっています。お風呂場に子どもを一人残すようなことは絶対にやめましょう。子どもが小さいうちは、浴槽に水を残しておかないのが一番ですが、災害対策などのために残し湯をされる場合には、浴室のドアに鍵を付けて、子どもが目を離した隙に一人で入らないようにしておきましょう。

プール、レジャー先での水難事故

夏場はプールや海、川辺に出かけたりする機会が増えるかと思いますが、水の近くでは、絶対に子どもから目を離さないようにしましょう。「浅瀬だから大丈夫」と思って、海や川などで子どもを一人にしておくのは大変危険です。万が一、流れに足を取られてしまったら、子どもは一瞬で溺れます。海や川では必ず大人が責任を持って、傍についていて下さい。また、ライフジャケットを着用させておけば更に安心です。

浮き輪の過信は禁物!

「浮き輪を付けているから大丈夫」という考えもNGです。腕を上げた拍子に体が輪からスルリと抜けてしまったら、簡単に溺れます。浮き輪を選ぶ時は、手を上にあげた状態でも下から上へ簡単には抜けないようなぴったりしたサイズのものを選びましょう。

万が一、溺れてしまったら?

  1. まずは、落ち着いて下さい。無理に水を吐かせようとするよりも、まずは意識があるか?脈はあるか?息をしているか?といった状態を確認します。
  2. 意識があって大声で泣いているようなら、とりあえず一安心ですが、肺に水が入っている可能性もありますので必ず受診して下さい。
  3. 意識もなく、息もしていなかったら、すぐに救急車を呼びます。息をしていなかったら、気道を確保して人工呼吸、脈がなかったら心臓マッサージをします。
  4. 人工呼吸や心臓マッサージは、呼吸が完全に戻るか、救急車が到着するまでの間続けます。
    人工呼吸や心臓マッサージの詳しい方法については、日本赤十字社のHPなどを参考にしてみて下さい。