5月31日は、「世界禁煙デー」です。最近では、低タールや低ニコチンをうたった種類のたばこが売られていますが、健康への被害に変わりはありません。たばこは、百害あって一利なしです。タバコを吸うお母さんは、是非、タバコの子どもへの影響をしっかりと理解し、この機会に禁煙するようお勧めします。
妊娠中の喫煙
妊娠中にたばこを吸うと胎児によくないと言うのは、誰でも知っています。しかし、実際にどんな悪影響があるのか、きちんとした知識がなく現実味がないために、悪いと知りつつも、「たばこだけは、やめられない・・・」と、自分の欲求に負けて吸い続けてしまうお母さんがいます。
しかし、絶対にたばこを吸うべきではないのです。たばこによる胎児への影響は、あらゆるデータで明らかに実証されています。
例えば、次のような影響が報告されています。
未熟児の危険性: たばこに含まれるニコチンは、血管を収縮させる働きがあります。そのため、胎盤や子宮に送られる血液の流れが悪くなり、赤ちゃんに十分な酸素や栄養を送れなくなります。また、血中にニコチンやタール、一酸化炭素が混じるため、赤ちゃんに毒を飲ませているのと同じことになります。たばこを吸うと、未熟児が生まれる危険性は2.4倍も高くなります。
【この記事を書いた人】医学博士 中野康伸
横浜市生まれ、自治医科大学卒
・日本小児科学会専門医
・日本アレルギー学会専門医
・日本東洋医学会専門医
横浜市港北区で小児科専門医として、地域に根差した診療を行っています。「病気・症状何でもQ&A」のコーナーでは、一般の方にも分かる最新の医学知識や予防接種の情報、育児・発育の心配な事、救急時の対応など、様々なトピックを掲載しています。