インフルエンザにかかったときに、まれに脳の働き(意識・判断・運動など)に異常が起こることがあります。これを「インフルエンザ脳症」といいます。
通常の発熱や咳・鼻水とは違い、脳が影響を受けるため、意識や行動に変化が見られます。
特に 5歳以下の子どもに多く、発症後24時間以内に急に悪化することがあります。
早期に気づくためのサイン
インフルエンザにかかっている子が、次のような様子を見せたら要注意です。
一つでも当てはまる場合は、すぐに受診してください。
意識・行動の変化
- 呼びかけても反応が鈍い、ぼーっとしている
- いつもと違う言動(意味のないことを言う・奇声をあげる)
- 夢と現実の区別がつかない(幻覚・妄想のような発言)
- 急に怒り出したり泣き出したりする
体の動きの異常
- けいれん(体をガタガタふるわせる、目が上を向く)
- 手足が動かない・力が入らない
- フラフラ歩く・バランスが取れない
その他の危険サイン
- 強い頭痛、何度も吐く
- 顔色が悪い、唇が紫っぽい
- 意識が戻らない(ぐったりしている)
- 高熱(39℃以上)が続いているのに様子がおかしい
受診の目安と対応
状況 | 対応 |
意識がもうろうとしている/呼びかけに反応しない | 救急車を呼ぶ(119) |
けいれんが5分以上続く | 救急搬送を要請 |
異常行動・発言が見られる | すぐにクリニックへ連絡し指示を仰ぐ |
高熱が続く+嘔吐・頭痛がある | 小児科または救急外来を受診 |
軽い発熱・元気がある | 自宅で安静・水分補給、必要に応じて解熱剤 |
治療について(病院で行われること)
- 抗インフルエンザ薬(例:タミフル、リレンザ など)
- けいれん止め・脳の腫れを抑える薬(ステロイド・点滴など)
- 集中治療(ICU)での管理が必要なこともあります。
発症からの時間が早いほど回復しやすいため、
「おかしい」と思ったらためらわずに受診することが大切です。
家庭でできる予防
- インフルエンザワクチンを毎年接種
→ 感染しても重症化しにくくなります。 - 手洗い・うがい・マスクで感染予防。
- 高熱が出たら安静と水分補給を。
- 解熱剤の使い方に注意
→ アセトアミノフェン(例:カロナール)はOK。
→ **アスピリン系(バファリンAなど)**は脳症を悪化させるおそれがあるため、医師の指示なしで使わない。 - 夜間の見守り
→ 発熱初日の夜に症状が急変することがあります。
インフルエンザ脳症は、発症後わずか数時間で重症化することもあります。
「ただの熱」と思わず、子どもの反応・行動・目の動きをよく観察してください。
早期発見・早期治療が命を守ります。
