高齢者の肺炎球菌ワクチン

平成26年10月から、65歳の高齢者の方は、肺炎球菌ワクチン接種を無料で接種できるようになりました。お孫さんの付き添いなどで来院された時に、ご希望の方は当クリニックでも接種して頂けます。

肺炎球菌は、健康な人の鼻や喉にでもいるような、ごく身近な菌です。しかし抵抗力が落ちていて風邪をひきやすいような時には、体内に入り込んで様々な病気を引き起こします。成人の場合、肺炎球菌が肺炎気管支炎などの呼吸器障害を起こすことが多くあります。また、抗生物質が効きにくい起因菌が増えており、治療が難しいのも問題です。

その他にも、肺炎球菌が原因となる病気として、菌血症(血液内に菌が入り込み、様々な臓器に転移することで髄膜炎などの重篤な病気を引き起こす)や肺炎中耳炎副鼻腔炎、骨髄炎、関節炎などになる可能性もあります。

主な症状

感染者の咳やくしゃみなどで飛沫感染します。突然の発熱から始まり、激しい頭痛や悪寒、嘔吐、下痢などの症状がみられます。始めのうちは、ふつうの風邪や胃腸炎と区別がつきにくく、初診で髄膜炎と診断をつけるのは難しいのですが、この病気は進行が早く、たった一晩のうちに急変することもあり、発見や治療が遅れると、重篤な後遺症を残す可能性が高く、最悪の場合は死に至ることもあります。

治療法

肺炎球菌には80種類以上のタイプがあり、その中から原因菌を特定して、抗生物質を投与します。早期発見、早期治療できれば治せる病気ですが、大半の肺炎球菌が抗生物質の効きにくい耐性菌である上に、病気の進行が早過ぎて、抗生物資の投与が追いつかないこともあり、治療が難しいのが現状です。

新しい制度でのワクチン接種対象者

新制度での対象者について、詳しくは厚生労働省のホームページをご確認ください。

副作用

ワクチン接種部位の腫れや発熱など、副作用が起こる頻度は他のワクチンと同等です。発売以来、世界中の人に接種されています。