
小学校高学年あたりから高校生にかけては、ニキビが顔やあご、首、背中などに出やすい時期です。ニキビに悩んでいる人は少なくないでしょう。
特に、赤くブツブツとなったり、固くなって膨れ上がったニキビは、跡が残ってケロイド状(肥厚性瘢痕:ひこうせいはんこん)になったり、皮膚がへこんだような跡(陥凹性瘢痕:かんおうせいはんこん)になって残ってしまいますので、早期に正しく治療することが大切です。
ニキビの原因
そもそもニキビは、毛穴に皮脂(皮膚のあぶら)がたまることで、皮膚が炎症を起こした状態です。特に思春期は、皮脂の分泌が多く毛穴に皮脂がたまりやすくなります。毛穴に面皰(めんぽう)という皮脂がたまって詰まると、その中でアクネ菌が増えて炎症を起こしてニキビになります。
気になるからといって触ったり、マスクで隠したり、髪の毛で覆って隠したりすると、患部を刺激してさらに悪化し、赤いブツブツとしたニキビ(丘疹:きゅうしん)や膿のたまったニキビ(膿疱:のうほう)になってしまいます。
また、自分で押しつぶして膿を出しても、毛穴に皮脂が残っていると、かえって炎症が悪化するのでやめましょう。さらにひどくなると、芯があるように固くなった状態(硬結:こうけつ)や結節(けっせつ)になります。
ニキビは、思春期や月経に伴う性ホルモンのバランスの変化に影響を受けます。こうした時期にニキビができやすくなるのはこのためです。
ニキビの正しい治療法
日本皮膚科学会のガイドラインでは、毛穴が詰まることによる面皰をできにくくする「アダパレン」という塗り薬と、アクネ菌や皮膚の炎症に効果のある抗生物質の内服を組み合わせて使うことを推奨しています。
アダパレンを内服し始めると、8割程度の方に皮膚の乾燥やヒリヒリ感、赤み、かゆみなどの随伴症状(ニキビの改善に向けて出る症状)が出ますが、2週間ほどすれば症状は治まってきます。
また、有効な漢方もありますのでご相談ください。 保険適用外で効果があるとされるのは、ケミカルピーリングだけです。
ニキビでお困りの方は、ご相談下さい。
ニキビの予防

ニキビができるのは、肌が脂っこいからではありません。ニキビができたことで、脂っこいと感じるようになるのです。過度に洗顔するのは、皮膚に必要な水分を奪い、ニキビを刺激することになるので逆効果です。皮膚を健康な状態に保つことがニキビ予防なので、汗をかいたり、外出から帰った後にはよく泡立てた洗顔フォームで優しくなでるように洗って、よく流した後に十分に保湿するようにしましょう。
また不規則な生活やストレスは、ホルモンバランスを崩す原因となり、ニキビを誘発します。インスタント食品や脂肪分、糖分の多い食べ物に頼りがちでビタミンが不足すると、ニキビの原因となる皮脂の分泌が活発になり、ニキビが増えることになります。
逆に過度に食事制限してしまうと、皮膚に十分な栄養が行き届かなくなり、皮膚が乾燥して、皮膚のうるおいを守ろうという作用が働いて、皮脂を分泌するようになって、逆にニキビができやすくなってしまいます。

現代は、食事だけで十分な栄養を取ることが難しくても、サプリメントを活用することができます。ビタミンA、B2、B6、Cを補給することで、ニキビの原因となるさまざまな原因を緩和することができます。
さらに詳しくは、日本皮膚科学会のホームページをご覧ください。