頭じらみ

保育園や幼稚園、学校などの集団生活では、頭じらみに感染することがあります。しらみは、高温多湿を好んで寄生しますので、季節的には夏から秋にかけて流行することが多く、また髪の毛が多くて長い人ほど寄生されやすいようです。

しらみは、毛から毛、あるいは物から毛へとつかまって移動します。ですから、頭じらみになった人の近くにいるだけで感染することはありません。ただし、帽子や枕、タオル、ブラシなどの物を共有すると、それを媒介して感染しますので、注意しましょう。

また、プールで感染したという話をよく聞きますが、これは水を媒介したわけではなく、ロッカーや医務室などでタオルや枕などを共有したことで感染している可能性があります。

しらみの特徴

頭じらみの成虫は、2~4mmくらいの大きさで、人間の頭皮に寄生します。非常に動きが素早いので、成虫を見つけるのはなかなか難しいです。頭皮から血を吸って、毛根近くに卵を産みます。血を吸われると通常は非常にかゆいので気が付くことが多いのですが、かゆみの程度には個人差がありますので、気がつかないうちにうつされていることもあります。ひとつの卵から1ヶ月で約200匹ものペースで繁殖しますので、早く見つけて駆除することが大切です。

そこで、しらみを発見する確実な方法は、卵がないかどうかチェックすることです。後頭部や耳のうしろあたりにあることが多いので、髪を掻き分けて丹念に見てみましょう。しらみの卵は、白くて一見フケと区別がつきにくいのですが、細長い楕円形をしていること、指を滑らせて取ろうとしてもなかなか取れないこと、爪でつぶすとプチっと音がすること、などが特徴です。

しらみの駆除方法

しらみの成虫と幼虫は、「スミスリン」という特殊なシャンプーを使って駆除することができます。粉末タイプと通常のシャンプータイプがありますが、使いやすい方を選べばよいと思います。1日1回、2日おきに使用して、成虫や卵から孵化した幼虫を駆除します。2~3回使用する頃にはかゆみも収まりますが、このシャンプーは卵には効果がないので、卵が全て孵化して幼虫になり、それを駆除するまでは気を抜けません(だいたい1ヶ月くらいは使用しましょう。)卵を見つけたら、目の細かいクシで梳いて取り、つぶして駆除します。

家族の感染に注意!

まず家族の感染は避けられない・・・と考えたほうが無難です。特に兄弟同士では、80%くらいの確率で感染すると思われます。それでも、こまめに洗濯したり、掃除したり、布団を干したりすることで、できるだけ家族に広がらないようにすることができます。

まずは、タオル、寝具、帽子、ブラシなど、頭に触れるものは共有しないようにしましょう。しらみは熱に弱いので、お湯で洗濯すると効果的です。それから、布団は天日干しして、しっかり消毒しましょう。髪の毛は、できれば短く切って、爪の中にも入り込まないように短く切りそろえておきましょう。

しらみは、早期発見、早期治療によって拡大感染を防ぐことができます。クリニックへ来院され、虫体検査を受ければ簡単に診断がつきます。気になる方は早めにご相談下さい。

尚、受付は個別に対応しますので、来院前に必ずお電話下さい。裏手の感染症専用の入り口をご案内いたします。