カンピロバクター腸炎

カンピロバクター菌は、細菌性腸炎(いわゆる食中毒)の原因となる菌のひとつです。ノロウィルスやサルモネラ菌などは、食中毒の原因としてよく耳にすると思いますが、実はカンピロバクター菌による食中毒が、近年増加しています。

感染経路

カンピロバクター菌は、鶏や牛、ブタなどの家畜、犬や猫などのペットの腸内に潜んでおり、排泄物とともに体外に排出されます。

家畜の場合、食肉の調理・加工過程で、菌に汚染されるケースがあります。カンピロバクター菌は、低温でも生存することができるので、冷蔵庫で冷やしているから安心というわけには行きません。

感染を防ぐためには、食べる前にしっかりと火を通すこと、それから生肉を調理した器具でそのまま野菜を調理しない、といった点に気をつけましょう。

最も感染するケースが多いのが、鶏肉です。夏から秋にかけて、バーベキューが盛んになりますが、生焼け肉を食べないように注意しましょう。

意外と知られていないのが、ペットからの感染です。ペットの排泄物を片付けた後、手を洗わずにいたり、口移しでモノを与えたり、かわいさ余ってキスをしたりしていると、経口感染します。昨今のペットブームで、犬や猫を飼う人が非常に多くなっていますが、ペットから感染する様々な病気の危険性については、認識が低いようです。衛生面には十分気をつけて、ペットと触れ合った後は必ず手を洗うように気をつけましょう。

主な症状とケア

感染してから発症するまで2~7日間と比較的長いので、何を食べたのが悪かったのか思い出せなくなった頃に発病します。

発熱、腹痛、水様の下痢、時には血便を伴います。市販の下痢止めを使ってしまうと、菌が排出されなくなってしまうのでやめましょう。抗生物質は、著効しますので、症状を感じたら早めに受診して下さい。整腸剤や消化薬も処方します。