こどもの鉄欠乏性貧血

鉄欠乏性貧血は、体内の鉄分が足りなくなることで赤血球が十分に作られない状態になり、視界がすーっと黒くかすんでしまったり、胸の辺りがひんやりして冷や汗をかいたり、吐き気をもよおしたりすることがあります。

  • 食事から鉄分を十分に摂取していない場合、特に成長期には鉄の必要量が増えるため不足しやすくなります。
  • セリアック病や炎症性腸疾患など、消化管の問題が鉄の吸収を妨げることがあります。
  • 慢性の病気や怪我、寄生虫感染(例:鉤虫)により、血液が失われた場合も原因になります。

症状

鉄欠乏性貧血による症状は鉄不足の程度によりますが、一般的な例として以下の症状があります:

  • こどもが普段より疲れやすく、元気を欠いている。
  • 肌が青白くなっているように見える。
  • 軽い運動でも息切れがしやすくなる。
  • 食べ物への興味が薄れることがある。
  • 学校での集中力が低下したり、成績が悪化することがあります。
  • 土や紙など、食べ物ではないものを食べたがる傾向が見られることがあります。

治療法

主な治療法は以下の通りです:

  • 鉄分を多く含む食品(例:赤身肉、魚、レンズ豆、ほうれん草など)を積極的に摂ることをお勧めします。また、ビタミンCを含む食品と一緒に摂ることで、鉄の吸収が良くなります。
  • 鉄欠乏が深刻な場合には、医師が鉄剤やサプリメントを処方することがあります。これにより効率的に鉄分を補えます。
  • 消化管の問題や寄生虫感染など、鉄不足の原因となっている問題を治療する必要があります。
  • 定期的に血液検査を行い、治療の効果を確認することが大切です。

鉄分を多く含む食品の例

以下は、鉄分を多く含む食品の具体例です:アレルギー症状が出る人は注意して下さい。

  • 肉類:牛肉や豚肉、特に赤身肉
  • 魚類:サバ、イワシ、カツオなど
  • 植物性食品:レンズ豆、ヒヨコ豆、ほうれん草、ケール
  • その他:卵黄、ナッツ類(例:アーモンド、カシューナッツ)、ドライフルーツ(例:レーズン、プルーン)

こどもの鉄欠乏性貧血は、適切な診断と治療が大切です。早めに症状を見つけて医師に相談することで、こどもの健康や成長を守ることができます。治療をしっかり行い、鉄分を食事から充分摂って、鉄分不足を補い、こどもが健康で元気な毎日を送れるようにしましょう。