五種混合ワクチン

四種混合ワクチン(DPT-IPV)は、ジフテリア、百日咳、破傷風、およびポリオを予防するために、乳幼児に対して広く用いられてきたワクチンです。しかし、医療技術と公衆衛生の進歩により、このワクチンは廃止となり、2025年4月1日からは従来の4種混合にヒブワクチンを追加した五種混合ワクチン(DPT-IPV-Hib)に変わりました。ヒブ(ヘモフィルス・インフルエンザ菌)による感染症を予防するためのワクチンを入れることで、乳幼児への一回の接種でより多くの病原体に対する免疫を提供できるようになりました。

五種混合ワクチン

対象年齢

五種混合ワクチンは、生後2か月から生後90か月までの乳幼児と小児を対象としています。

接種時期

初回接種は標準的には生後2か月から7か月未満の間に行います。その後、20~56日間隔をおいて接種します。追加免疫については、標準的には初回免疫終了後6か月~18か月を経過した乳幼児、小児に接種します。わかりやすいように図にします。

初回免疫:標準として20~56日の間隔で3回接種
追加免疫:標準として初回免疫終了後6~18か月経過してから1回接種

追加免疫:初回免疫後6か月以上の間隔をおいて1回
(標準として初回免疫終了後6か月から18か月の間)

副反応

五種混合ワクチンの副反応は一般的には軽度で、以下のようなものがあります:

  1. 接種部位の赤みや腫れ
  2. 発熱
  3. 不機嫌や泣き声の増加
  4. 食欲低下
  5. ごく稀に、重篤なアレルギー反応

これらの副反応は通常数日以内に改善しますが、長期間続く場合や重篤な反応が現れた場合は医師の診察を速やかに受けることをお勧めします。

費用

日本では、定期接種の一環として公費で接種を受けることができます。

五種混合ワクチンは乳幼児の健康を守るために重要な予防策であり、定期的な接種を通じて様々な感染症から子供を守ることができます。特に生後間もない乳児は、百日咳に感染し易いので生後2か月で接種することを小児科学会では強く推奨しています。いずれにしても、スケジュールに従い、適切な時期に接種を受けることが大切です。