子どもと過ごす日々には、うれしさと同じくらい迷いや心配が生まれることがあります。昨日までできなかったことが急にできるようになる一方で、なかなか変わらない様子に戸惑うこともあります。育児には正解が一つではないからこそ、保護者は小さな変化に目を向けながら、子どもと向き合っています。
乳幼児健診は、そうした日々のなかで子どもの育ちを一緒に見つめる機会です。家庭だけでは判断しにくいことも、医師や保健師などの専門職に相談することで、安心につながることがあります。小さな気がかりをそのままにせず、今の様子を確認する時間として活用できます。
乳幼児健診とは
乳幼児健診とは、赤ちゃんや幼児の健康状態、発育や発達の様子を確認するものです。身長や体重を測るだけでなく、医師の診察、発達の確認、栄養や歯の相談、育児に関する相談なども行われます。
乳幼児健診は、病気を見つけるためだけの場ではありません。子どもがその子らしく育っているか、保護者が安心して育児を続けられているかを確認する場でもあります。特に心配がない場合でも、今の成長を確認する意味があります。
乳幼児健診の目的と受ける時期
乳幼児健診の目的は、子どもの発育や発達を確認し、病気のサインや生活上の困りごとに早く気づくことです。視覚や聴覚の問題、栄養の偏り、睡眠の乱れ、むし歯のリスク、育児の悩みなども相談できます。
1歳6か月児健診と3歳児健診は、多くの自治体で案内があります。自治体によっては、3から6か月児健診、9から11か月児健診、1か月児健診、5歳児健診などを行っている場合もあります。案内が届いたら、日時や持ち物を確認しておきます。
身体の発育と病気のサイン
健診では、身長、体重、頭囲がその子なりに増えているかを確認します。あわせて、皮膚の状態、心音、呼吸、お腹の様子、股関節、筋肉の緊張、姿勢、歩き方なども診ます。数字だけでなく、これまでの成長の流れや普段の生活もふまえて見ていきます。
体重が増えにくい原因には、母乳やミルクの量、離乳食の進み方、便秘、感染症、心臓や消化器の病気、生活リズムの乱れなどがあります。身長の伸びがゆっくりな場合も、体質だけでなく、ホルモンの働きや慢性的な病気が関係することがあります。
発達の確認で見るポイント
乳幼児健診では、首すわり、寝返り、お座り、はいはい、歩行、指先の使い方、目線、表情、音への反応、言葉の理解、指さし、まねなどを確認します。発達には幅があるため、同じ月齢の子と比べるのではなく、その子のペースで伸びているかを見ます。
発達がゆっくりに感じられる原因には、早く生まれたこと、出生時の体重が小さかったこと、聞こえにくさや見えにくさ、筋肉や神経の問題、睡眠や栄養の乱れ、関わりの機会の少なさなどがあります。気になる点があれば、早めに相談することで必要な支援につながります。
1歳6か月児健診で大切なこと
1歳6か月頃は、歩く、指先を使う、簡単な言葉を理解する、自分の意思を出すといった変化が見られる時期です。健診では、歩き方、転びやすさ、物の持ち方、指さしへの反応、言葉の理解、食事の様子、歯の状態などを確認します。
この時期に気になることが見つかる原因には、発達の個人差のほか、耳や目の問題、筋力やバランスの課題、睡眠リズムの乱れ、偏食、便秘、むし歯につながりやすい習慣などがあります。小さな気づきでも、健診で話しておくと安心です。
3歳児健診で大切なこと
3歳頃になると、会話のやり取り、身の回りのこと、遊びの広がり、排泄、生活リズム、友だちへの関心などを見ていきます。3歳児健診では、視力や聴力、尿検査、歯科健診、言葉の発達、行動面、家庭での困りごとなどを確認することが多いです。
言葉がつながりにくい、落ち着きがない、こだわりが強い、集団に入りにくい、偏食が強い、眠りが浅いといった相談もあります。原因には、発達の特性、見え方や聞こえ方の問題、睡眠不足、環境の変化、保護者の疲れなどが関係している場合があります。
健診前に準備しておきたいこと
健診の前には、母子健康手帳、問診票、自治体からの案内、予防接種の記録などを確認しておきます。授乳や食事の量、睡眠時間、便の状態、気になるしぐさ、言葉の数、歩き方、保育園での様子などを思い出しておくと相談しやすくなります。
当日は、子どもが眠かったり、お腹が空いていたり、人見知りをしたりして普段通りに過ごせないこともあります。その場でできなかったことだけで判断されるわけではないため、家庭での様子を伝えることが大切です。
健診後のフォロー
健診で「経過観察」や「要相談」と言われると、心配になることがあります。ただ、それは何かを決めつけるものではなく、もう少し様子を見たり、詳しく確認したりするための案内です。
乳幼児健診は、保護者を責める場ではなく、親子を支える場です。忙しさ、体調不良、通知の見落とし、不安などが原因で受診が遅れることもありますが、気づいた時点で相談できます。子どもの成長を一緒に見守る人を増やすためにも、健診を安心して活用してください。
