子どもの体調は、元気に過ごしていた直後でも急に変化することがあります。見慣れない症状が現れると、保護者の方は原因が分からず、どのように対応すればよいのか迷うことも少なくありません。
大切なのは、目に見える変化だけで判断せず、子どもの機嫌や食欲、呼吸の状態なども含めて確認することです。症状の特徴や受診の目安を知っておくことで、急な変化にも落ち着いて対応しやすくなります。
じんましんとは
じんましんは、皮膚の一部が突然赤くなり、蚊に刺されたように盛り上がる症状です。盛り上がった部分は膨疹と呼ばれ、強いかゆみや熱っぽさを伴うことがあります。小さな発疹が点々と出ることもあれば、いくつかがつながって広がることもあります。
じんましんの特徴は、同じ場所に現れた膨疹が通常24時間以内に跡を残さず消えることです。別の場所に新しい膨疹が現れることもあるため、発疹が移動しているように見えることもありますが、じんましん自体がほかの人にうつることはありません。
子どもにみられる主な症状
じんましんは、顔や首、胸、おなか、背中、腕、脚など、体のさまざまな場所に現れます。かゆみが強いと、繰り返し皮膚をかいてしまい、眠れなくなったり、機嫌が悪くなったりすることがあります。
まぶたや唇、手足が大きく腫れる場合は、血管性浮腫の可能性があります。皮膚の深い部分に腫れが起こるため、かゆみよりも皮膚の張りや痛みを感じることがあります。舌や喉まで腫れている場合は、呼吸に影響するおそれがあるため、早めの対応が必要です。
子どものじんましんが起こる原因
子どものじんましんでは、風邪などの感染症が関係していることがあります。発熱や鼻水、咳、下痢などがある時期や、感染症から回復する途中に発疹が現れる場合もあります。免疫反応によってヒスタミンが放出されると、皮膚の血管が広がり、膨疹やかゆみが生じます。
食物、薬、虫刺され、天然ゴムなどに対するアレルギー反応も原因の1つです。同じ食物を食べるたびに症状が出る場合や、食後すぐにじんましんや嘔吐、咳などが現れる場合は、食物アレルギーが関係している可能性があります。ただし、子どものじんましんがすべて食物によって起こるわけではありません。
急性じんましんと慢性じんましん
じんましんは、症状が続く期間によって急性と慢性に分けられます。発症から6週間以内に症状が治まるものが急性じんましん、6週間を超えて症状を繰り返すものが慢性じんましんです。急性の場合は、感染症や食物、薬などが関係することがありますが、原因がわからないまま治まる場合もあります。
慢性じんましんでは、食物アレルギーが直接の原因になることは多くありません。皮膚への摩擦、寒さ、日光、発汗、運動、体温上昇などが刺激となり、症状が出ることがあります。いつ、どのような状況で発疹が現れたかを記録しておくと、原因やきっかけを探る手がかりになります。
すぐに受診したい症状
皮膚にじんましんが出ていても、子どもの機嫌がよく、食欲や呼吸に変化がなければ、落ち着いて経過を確認できることもあります。ただし、広い範囲に発疹が出ている、かゆくて眠れない、何度も繰り返す、まぶたや唇が腫れているといった場合は、小児科や皮膚科を受診してください。
呼吸が苦しそう、ゼーゼーしている、声がかすれる、咳が続く、何度も吐く、顔色が悪い、ぐったりしている場合は、アナフィラキシーの可能性があります。皮膚以外にも症状が出ているときは、ためらわず救急車を要請するか、救急医療機関を受診してください。
小児科で行う診察と検査
診察では、発疹の形や続いた時間に加え、発症前の食事、服薬、発熱、運動、入浴などを確認します。受診時には発疹が消えていることもあるため、症状が出ている間に写真を撮影しておくと、診断の手がかりになります。
急性じんましんでは、すべての子どもにアレルギー検査が必要になるわけではありません。特定の食物や薬を使用するたびに症状が出る場合などには、血液検査や皮膚テストを検討します。検査結果だけで原因を決めず、実際の症状や経過を合わせて判断することが大切です。
子どものじんましんの治療
原因や症状を引き起こす刺激が分かっている場合は、それを避けることが基本です。ただし、食物や薬を自己判断で中止すると、栄養不足や病気の悪化につながることがあります。原因が思い当たる場合も、医師に相談したうえで対応してください。
治療では、ヒスタミンの働きを抑える抗ヒスタミン薬の内服が中心となります。子どもの年齢や体重、症状に合わせて薬の種類や量を調整します。症状が落ち着いたあとも医師の指示どおりに服用し、自己判断で中止しないことが大切です。
家庭でできる対応
じんましんが出ているときは、熱い風呂、激しい運動、厚着、強い摩擦などを避けてください。体が温まるとかゆみが強くなる場合があるため、室温を調整し、汗をかきにくい服装で過ごします。冷たいタオルなどで患部を軽く冷やすと、かゆみが和らぐこともあります。
じんましんを繰り返す場合は、発症した時間、食事、服用した薬、体調、運動、入浴などを記録しておくと、原因を探る手がかりになります。発疹が続く場合や日常生活に支障が出ている場合は、我慢せず小児科へ相談してください。
