聞き慣れない言葉かもしれませんが、これは風疹の抗体を持っていない(風疹にかかったことがない、あるいは子どもの頃に風疹の予防接種を受けなかった等)母親が、妊娠初期に風疹に感染した場合、その子どもに奇形が出る可能性が高くなるというものです。
特に妊娠4週目までが一番確率が高く、30~50%のリスクがあります。
妊娠20週以降になれば、ほぼ大丈夫と言われています。 奇形の出方は様々ですが、三大疾患は、先天性心疾患 (心室中隔欠損症、心房中隔欠損症などの心蔵の障害)、目の病気(緑内障、白内障、網膜症、小眼症)、難聴で、障害はなおりません。 その他、発育遅延や低体重も見られます。
昭和50年代から60年代生まれの男性は、当時中学生だった頃、国の施策で女子のみ風疹ワクチンを接種したので、男性にはほとんど抗体がありません。これを防ぐには予防接種を受ける以外手はありませんので、奥様が妊娠されている方やこれからお子さんを望まれている方など心配な方は、ぜひご相談ください。
対処法
もし風疹に対する免疫がない場合は、ワクチンを接種して、2、3カ月間は妊娠を避けることです。
風疹の抗体を持っているかどうかは、検査すればわかります。風疹が流行している間は、妊婦さんは特に気をつけて、感染者と接触しないようにしましょう。
全国的に風疹ワクチンの接種を推奨しています。詳しくはこちら!
【この記事を書いた人】医学博士 中野康伸
横浜市生まれ、自治医科大学卒
・日本小児科学会専門医
・日本アレルギー学会専門医
・日本東洋医学会専門医
横浜市港北区で小児科専門医として、地域に根差した診療を行っています。「病気・症状何でもQ&A」のコーナーでは、一般の方にも分かる最新の医学知識や予防接種の情報、育児・発育の心配な事、救急時の対応など、様々なトピックを掲載しています。