
生まれたばかりの赤ちゃんは、寄り眼になったり、左右の目の動きが違ったりするものです。これは目の周りの筋肉が未発達なためであり、生後1か月~2か月程度で徐々に焦点が定まって、お母さんの顔をじっと見たりできるようになります。
ところが、中には生まれつき目の筋肉が弱い子や、神経の異常、脳の病気、遠視が原因で、成長しても斜視が改善しない子がいます。焦点が合っていない方の目が、外側を向いている場合を「外斜視」、内側を向いている場合を「内斜視」と呼びますが、いずれの場合も、焦点が合っていない方の目が弱視になっている可能性が大きいようです。
弱視というのは、メガネをかけても視力があがらない状態で、そもそも見えにくに方の目を使わなくなって、それに慣れてしまうことで、目の視力が発達しないことが原因です。早期発見すれば、弱視になっている方の目を改善する訓練を行って、その上でメガネをかけることで、両目の位置を矯正できます(場合によっては手術を伴う場合もあります。)
両方の目を使ってモノを見るという力(立体視)を促進しなければ、モノを立体的にくっきりと見ることができなくなりますので、お子さんの目の動きや様子をみて、おかしいかな?と思ったら、早めにご相談下さい。

【この記事を書いた人】医学博士 中野康伸
横浜市生まれ、自治医科大学卒
・日本小児科学会専門医
・日本アレルギー学会専門医
・日本東洋医学会専門医
横浜市港北区で小児科専門医として、地域に根差した診療を行っています。「病気・症状何でもQ&A」のコーナーでは、一般の方にも分かる最新の医学知識や予防接種の情報、育児・発育の心配な事、救急時の対応など、様々なトピックを掲載しています。