高熱を出した時に起こる「熱性けいれん」は、白目をむいて全身を硬直させたり、手足や体がビクンビクンと震えていたり、手足を突っ張らせたりして、呼びかけても反応しなくなります。体の左右が対称にけいれんするのも特徴です。
熱性けいれんの場合、遺伝性があるので家族の中にひきつけを起こした経験のある人がいれば、子どももけいれんを起こす可能性は高くなります。
また、泣きすぎた時に起こる「泣き入りひきつけ」というものもあります。息を吸うのも忘れるほど長く泣き続けると起こしたりします。
ひきつけたら、どうする?
1)まず、お母さんが落ち着くこと。はじめはびっくりするかもしれませんが、けいれんがどのくらいの時間続くのか、しっかりと計ってください。
2)無理に呼びかけたり揺さぶったりせずに、静かに寝かせます。けいれんと伴に吐いたりすることもあるので、その場合 吐物で口がふさがれてしまわないように横向きに寝かせましょう。
- ひきつけが3分以内におさまって、その後意識障害もなく元気にしているようなら、救急に駆け込む必要はありません。通常の診療時間内で受診してください。
- ひきつけが5~10分続いている場合や、顔色が紫色になっているようなら、万が一に備えて救急車を手配します。
- ひきつけがおさまってから、意識がなかなか戻らない場合も救急車を呼びましょう。
心配なひきつけ
症状によっては、急を要するような心配なひきつけがあります。救急車を手配するなどして、大至急、受診しましょう。
- ひきつけが15分以上続く
- 1回の発熱で、1回以上けいれんが起こる
- 熱もなくさっきまで元気だったのに、突然意識を失ってけいれんを起こした
- 生後6ヶ月未満の赤ちゃんのけいれん
- 5歳以上で初めてけいれんを起こした
- 体の片方だけけいれんしているなど、左右対称にけいれんしていない
- ぼんやりした状態の後にけいれんを起こした場合
- けいれんの後、意識がもどらない場合
【この記事を書いた人】医学博士 中野康伸
横浜市生まれ、自治医科大学卒
・日本小児科学会専門医
・日本アレルギー学会専門医
・日本東洋医学会専門医
横浜市港北区で小児科専門医として、地域に根差した診療を行っています。「病気・症状何でもQ&A」のコーナーでは、一般の方にも分かる最新の医学知識や予防接種の情報、育児・発育の心配な事、救急時の対応など、様々なトピックを掲載しています。