夜泣き

夜になると、訳もわからず泣き続ける赤ちゃんがいます。抱っこしても、あやしても、ミルクをあげても、おむつを替えても泣きやまない・・・毎日、夜泣きが続けば、お母さんも疲れきってしまうでしょう。

夜泣きの原因は、まだはっきりわかっていませんが、赤ちゃんがだんだんと一定の睡眠リズムを作っていく過程で起こるものだと考えられています。大人が睡眠中に夢を見ているような間は、いわゆるレム睡眠と言って、眠りが浅い状態です。赤ちゃんは、まだ睡眠リズムが一定でないので、このレム睡眠の間に、目を覚まして泣き始める場合もありますし、レム睡眠の間に怖い夢をみたりすることで、夜泣きする場合もあります。

夜泣きの対策

できるだけ赤ちゃんの夜泣きを予防するために、昼間にできることや夜寝る前にできる工夫は色々とあります:

日中は、部屋のカーテンを開けて、できるだけ日の光を浴びさせて、できればお散歩へ出かけたり、公園で外の空気に触れさせたり、おすわりやたっち、歩いたりできる子は、なるべくたくさん遊ばせることが大事です。日中にたくさん体を動かすことで、夜ぐっすり眠れるようになります。

お昼寝が長すぎると、夜眠れなくなります。無理矢理起こす必要はありませんが、月齢に合わせて、徐々にお昼寝の時間を短くして、夜ぐっすり寝るように生活のリズムを作っていきましょう。

パパの帰りを待って、一緒に夜更かししたり、ずっとテレビをつけっぱなしにして、チカチカする光を寝る直前まで見ているようでは、赤ちゃんの神経も興奮するので、なかなか寝付きません。寝かしつける前は、できるだけ部屋を暗くして、刺激のある音や光は避けるようにしましょう。

足が冷たいとなかなか寝付けないものです。寝る前にお風呂に入れる、あるいはお布団に入ってから、赤ちゃんの足の裏をマッサージして温めてあげる、という方法も効果があります。人間は、お風呂に入って体温があがり、少し下降し始めるころに眠くなりやすいので、夜泣きがひどいようなら、寝る直前にママと一緒にお風呂に浸かって、体温をあげるのもいいでしょう。

それでも夜中にパチッと目が覚めて、火が付いたように泣き始めたら、まずは以下の点をチェックして、赤ちゃんが不快に思っていることはないか、確認しましょう:

  • おむつはぬれてないか?
  • 熱はないか?(全身状態、顔色もチェック)
  • 熱はないか?(全身状態、顔色もチェック)
  • 布団をかけすぎて暑いのではないか?あるいは薄着すぎて寒いのではないか?
  • まだお腹が空いているのではないか?(ミルクをあげてみましょう)
  • 喉が渇いているのではないか?(白湯や麦茶などを飲ませてみましょう)
  • アトピーや冬の乾燥肌で肌がかゆいのではないか?(体温が上がるとかゆくなる傾向があるので、そういう場合は処方された塗り薬をぬってあげましょう)

夜泣きが収まらない時は?

まずは、抱っこしてあげて、ゆらゆらトントンと一定のリズムで、単調な子守唄を歌ったりして、寝かしつけてみましょう。ママの耳たぶや髪の毛、おっぱいを触っていると落ち着くという子もいます。そういう赤ちゃんには、安心するまで添い寝してあげるといいでしょう。

色々工夫してみても、やっぱり夜泣きがひどいという場合は、一旦部屋の電気をつけて、赤ちゃんをはっきりと起こして、もう一度寝かしつけるという方法があります。夜泣きしている時の赤ちゃんは、まだ半分眠っていて、眠いのに眠れなくて機嫌が悪いという状態になっています。泣けばなくほど、神経が高ぶって興奮し、さらに眠れなくなります。

そんな時は、割り切って、赤ちゃんを抱き上げて、しっかり起こしてみましょう。そうすると、「あれっ?」といった具合に、一瞬我に返って泣きやむことがあります。

そこから、もう一度寝かしつけるのは、また長い戦いになるとは思いますが、ひとつの手として、車に乗せて近所をドライブするという方法も効果があります。赤ちゃんは、乗り物やベビーカーなどの、コトコトした小さな揺れに反応して、眠りに落ちたりします。どうしても泣きやまない時は、そうやって環境を変えるのも手です。

何をやってもダメな場合は?

夜泣きに効くと言われている漢方薬があります。どうしても夜泣きがひどい時は、クリニックに相談してください。夜泣きのタイプに応じて、適切な漢方薬を処方いたします。効果はお子さんによりまちまちですが、漢方との相性が良いお子さんは、かなりの効果が期待できます。

夜驚症(やきょうしょう)も参考にしてください