子どもとメディア

最近では、スマホやiPod、iPad、パソコン等が身近になり、防犯の意味もあって、子供にも携帯を持たせるご家庭が増えています。自宅でも、親のiPadやパソコンを使って、インターネットゲームで遊んだり、自分の携帯用ゲーム機、 インターネットのゲームで遊ぶ子供が年々増えています。

また、親御さんも、子育ての合間にスマホでお友達とチャットしたり、インターネットで動画を見たり等、携帯端末の利用時間が増えているはずです。 ご家庭で親御さんがそういったデジタル端末でメールやチャットをしている間、お子さんは一体何をしているのでしょうか?テレビやビデオをつけっぱなしにして、見せていたり、iPadのゲームで遊ばせておいたり、していませんか?

日本小児医会では、こういったメディアと子供の関わりについて警告を発しています。 特に、乳児や幼児期ではテレビやビデオ、学童期ではそれに加えてテレビゲームや携帯用ゲーム、思春期以降ではインターネットや携帯電話が問題になります。

メディアが子供に与える影響

以下は、日本小児医師会が警告する「メディアが子供に与える影響」からの抜粋です:

(1)テレビ、ビデオ視聴を含むメディア接触の低年齢化、長時間化

運動不足、睡眠不足そしてコミュニケーション能力の低下などを生じさせ、その結果、 心身の発達の遅れや歪みが生じる可能性が高くなります。

(2)メディアで流される情報は成長期の子どもに直接的な影響をもたらします。

幼児期からの暴力映像への長時間接触が、後年の暴力的行動や事件に関係していることは、すでに明らかにされている事実です。

また補足ですが、テレビ(ビデオを含む)は、一方通行に情報が入ってくるため、子供の考える力や想像力を奪ってしまいます。何も考えなくても、テレビをつければ、何かおもしろそうな番組があって、それを長時間ダラダラと見てしまう・・・それは、子供の意思に関係なく、次から次へと流れてくるので、大人が止めないといつまでも見続けることになります。

学童期までは、家族とのコミュニケーションや、絵本や本を読んで想像力を働かせたり、お友達と遊ぶことで、人との関わりを学ぶ大切な時期です。目的を持って番組を見るのは構わないと思います。例えば、今週はこの番組と、この番組が面白そうだから、見ようね、といった親子の会話があって、意思を持って見ることは問題ないでしょう。要するに、子供の相手をする暇がないから、テレビを見せておけば大人しくしているから、といった理由で、だらだら見ることをやめることが大切です。

インターネットも電話もテレビも何もない場所に旅行に行ってみたら、子供は想像力を働かせて、身の回りで見つけた小石や葉っぱ、虫に興味を持ったり、絵を描いてみたり、工作体験をしてみたり、自然の中で体を動かしたり、いろんなことを楽しめる能力を持っています。この大切な時期をメディア漬けで終わらせてしまうのは、非常に残念なことです。

5つの推奨項目

そこで、日本小児医師会では、こうしたメディア漬けの生活を改善すべく、以下の5項目を推奨しています:

(1)1. 2 歳までのテレビ・ビデオ視聴は控えましょう。

(2) 授乳中、食事中のテレビ・ビデオの視聴は止めましょう。

(3) すべてのメディアへ接触する総時間を制限することが重要です。1 日2 時間までを目安と考えます。テレビゲームは1日30 分までを目安と考えます。

(4)子ども部屋にはテレビ、ビデオ、パーソナルコンピューターを置かないようにしましょう。

(5)保護者と子どもでメディアを上手に利用するルールをつくりましょう。

詳しくは、日本医師会ホームページをご覧下さい。

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